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心に響くこの一冊

『飢餓海峡(上)(下)』


水上勉 新潮文庫

 犬飼多吉こと樽見京一郎が辿る数奇な運命と光と影。
 犯罪で財を得て、食品工業の社長や教育委員をつとめる町の名士となるのだが……。人生という長いスパンで生じた業は果となって必ずケリがつくという“因果応報”と、栄光の原因と挫折の原因が相似するというアイロニーが仕組まれている。時代背景、題材とした事件、犯罪動機、構成、登場人物等々、読む悦びを堪能できる大傑作。


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