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心に響くこの一冊

『文芸にあらわれた日本の近代』


猪木武徳 有斐閣

 労働経済学を専攻する著者が、社会科学的分析で得られた理解を深めるために、文学作品を読み直す。「人々の生活の内面的な部分を、ストーリーの流れの中から読み取るという手法」を用いて。文学や小説は、「その時代の生活の雰囲気(climate)」を知るうえで大変有用なのだ。書き手は、こういう博学多才で「深読み」できる読み手もいることを、当然想定しておかねばならない。


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