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心に響くこの一冊

『宿命』


高沢皓司 新潮文庫

 1970年3月31日、赤軍派の9人は日航機「よど号」をハイジャック、北朝鮮へ亡命した。謁見した“偉大なる首領様”は、「君たちは“金の卵”だ」と歓待。その言に背かず、ハイジャッカーとその妻たちは、洗脳教育、軍事訓練を受け、日本人拉致等秘密工作のコマンドとしてヨーロッパやアジアに放たれる。超主観的な倒錯した論理、責任転嫁、見え透いた嘘‥‥。「カルト集団」による拉致事件の原型が見て取れる。


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