1961年、アマゾン奥地、クロノイテ。国の移民事業として日本から入植した地。だが、そこは農業に適さない密林。緑の魔境。募集要項に謳われた灌漑排水設備、家、開墾済みの畑など、どこにもない。すべてが大嘘。国家ぐるみの詐欺だった。あとは、地獄絵図そのものの出来。屈辱、貧困、絶望の中の死。―― それから40年後の東京。怨嗟を背負った男たちが、外務省と政府を敵に回し、奇想天外な報復劇の開幕。