楡脳病院を創立した楡基一郎という特異なキャラクターを起点にして、3代にわたる個性豊かな人たちが織りなす興亡の物語。生き生きと鮮やかな人物描写。時代背景の的確さ。運命と歳月に抗えない人間の卑小さと無常という世の習いを実感できる名作。三島由紀夫は、日本文学史上、最初の「真に市民的な作品」と位置づけ、「これこそ小説なのだ!」と激賞した。