200編のショート・ストーリー。ユーモアあり、サスペンスあり、ホラーあり。中流意識が蔓延していた当時の時代を背景に、人間の心のひだに潜む、愛欲、妄想、嫉妬、見栄、後ろめたさ等を、読み応えのある短編小説に仕立てている。「自分の秘密を自分自身が守れないのに、どうして相手に守ってくれと、言えようか?」といった、ラ・ロシュフコー公爵の箴言もよく効いている。