情痴小説を書いている。稼いだ金で毎夜のように銀座へ。浮気をする目的の大部分は取材のため。いや、取材半分、楽しみ半分というとこか。かつては不遇であった。今は「売れてる作家」という意識がある。何しろ月産800〜900枚。一方で、世間から、たかがエロ作家というイメージで見られたり、疎まれることも。緒々のコンプレックス。その裏返しとしての優越感。こまやかな心理描写が冴え渡る自伝小説。