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心に響くこの一冊

『「甘え」の構造』


土居健郎 弘文堂

  「甘え」。日本人のコミュニケーション能力を理解するうえでのキーワード。そのバリエーションは意外に広い。「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」「うらむ」という屈折した感情も、甘えられない心理に関係している。他方で、「無差別平等」や「寛容」という精神をも包含する。「人間はかつて甘えるということを経験しなければ、自分をもつことができない」。人間の自立は依存という十分な裏打ちがあって、そこから生まれる。


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