放浪の俳人、種田山頭火の主要な句と随筆を収録。無一物の境涯を、五七五の定型にこだわらない一行詩に凝縮。内面的精神を重視する自由律俳句を詠んだ。山頭火は、明治15年山口県防府市に生まれる。大正15年、「解くすべもない惑いを背負うて、行乞流転の旅に出た」。昭和15年没。自選3句。「分け入っても分け入っても青い山」「どうしようもないわたしが歩いてゐる」「酔うてこほろぎと寝てゐたよ」。