全般的に難解ななか、「『である』ことと『する』こと」が、わかりやすい。ものごとの「状態」よりも「プロセス」を重視することにより、社会の制度、モラルあるいは思考様式の「民主化」の実質的な進展の程度を知ることができる、というロジックである。民主主義という「制度」も、一定の目的を実現するための手段であり、自己目的化することを警戒し、不断の民主化の努力によって辛うじて維持できる脆弱なものなのだ。