『キャッツ』を全国でヒットさせ、日本の演劇状況を変えたといわれる劇団四季。ショービジネス界の優等生である。しかし創立当時、劇団の公演だけで食べていくのは並大抵のことではなく、草創期の四季は貧しかった。今日の劇団四季は、ある人の忘れられない忠告なしには語れない。「慶太、劇団てのは組織だろ。組織というものの基本は所属員の生活を守る。平たく言えば金を払う、月給を払うことなんだ」。