飛行機の窓から見える黒みがかった森と赤みがかった茶色の田野。それは恐怖と絶望の色。かの地の山野の色。瞬間、背筋にヒヤリとしたのもが走る。やはり体は覚えていた。しかし、今回は自由意思による韓国旅行。見るもの聞くものがすべて興味深く、そのうちの多くがかつて24年間住んだ北を連想させるものだった。自由の恩恵と拉致被害者救出への願いをこめて。この人にしか書けない、帰国後の「自由な生活の集大成」。