大東亜戦争における諸作戦の失敗(6つのケースを取り上げている)を、現代の組織一般にとっての教訓として活用し、今日的意義を探ろうとする労作。つまるところ、日本軍は、組織としての環境適応に失敗した。その最大の要因は、日露戦争という過去の成功への「過剰適応」(白兵銃剣主義、艦隊決戦主義)と戦後肥大化する過度の精神主義に陥ったこと。人や組織の「試練」は、“敗け”だけでなく“勝ち”にもある。