まさに「板子一枚地獄の底」。博打のようなマグロ漁の操業実態、過酷な労働、密室内での人間関係、船の採算ラインや船員の給与制度など、興味深い話が尽きない。何といっても、「マグロ漁は漁労長の腕次第」ということ。漁労長に問われる経験と勘あるいは才覚と器量などは企業経営者に比べ、優るとも劣らない。船員と家族の生活だけでなく、船員の命を預かっているのだから。