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心に響くこの一冊

『死にゆく妻との旅路』


清水久典 新潮文庫

 小さな縫製工場経営者の手記。保証や借金を重ね、工場は赤字続き。滞納。取り立て。金策に走り回る。そうしたときに妻が癌の手術を受け、「早ければ三ヵ月くらいで再発」と医者から宣告。病院へいきたくないという妻と二人、なけなしの金をもって、ボンゴで放浪の旅に出る……。よしんば二人の行動が“逃避”だとしても、“絶望”を選択しなかったことは、多とできるのではあるまいか。


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