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心に響くこの一冊

『ファイアズ(炎)』


レイモンド・カーヴァー 村上春樹訳 中央公論新社

 「書くことについて」というエッセーがいい。「結局のところ、ベストを尽くしたという満足感、精一杯働いたというあかし、我々が墓の中にまで持っていけるのはそれだけである」。思わず、そうなんだよと頷いてしまう。この本の訳者が、ストイックに心身を鍛え、作家道を極めようとする姿勢と二重写しになる。そんなプロ根性に少しでもあやかりたいのだけれど。


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