海運会社の貨物船が、7名の乗船員を乗せたまま大隅海峡で消息を絶つ。遭難の謎を追って経営者自ら真相究明に乗り出すが、いつしか追われる身となる。迫りくる危機、手に汗握るサスペンス。見えざる敵へ敢然と戦いを挑む意志と肉体。それらの圧倒的描写力。彩りを添えるウィットとユーモア。漂う大人のロマン。冒険小説のジャンルに新たな地平を切り拓くのか。全ページ、緩急自在に“志水節”が炸裂する。