国立大学病院のエリート助教授は教授選を前にして、医療ミスを疑われ、裁判にまで発展する。まさに平成版「白い巨塔」。ただ眼目は、助教授が開発した新療法の“副作用”にある。厚労省の官僚がこれに目をつけ、日本の超高齢社会を救う切り札としてプロジェクトを進行させる‥‥‥。作者は医師兼作家。医師特有の思考、会話、所作など、現役の医者ならではの筆致。医学界の内情を垣間見ることができる。