不思議な能力をもつモモという女の子が、時間どろうぼうからぬすまれた時間をとりかえしてくれるという、スリリングな物語。時間とは何か、という深遠なテーマを子どもでもわかるメルヘンに紡ぎあげている。ただし、「時間とは、生きるということ、そのもの」とか「人のいのちは心を住みかとしている」等の研ぎ澄まされた言葉も。自分にとっていかようにも制御可能なものが心と時間。大人もこれを読んで自省する契機とせねば。