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心に響くこの一冊

『こころの処方箋』


河合隼雄 新潮文庫

 のっけから「人の心などわかるはずがない」というのが、臨床心理学の専門家としての基本的立場。現状を分析して原因や対策を考えるというより、むしろ未知の可能性に注目、尊重する方法論をとるらしい。それでも「自立は依存によって裏づけられている」とか「強いものだけが感謝することができる」、あるいは「心配も苦しみも楽しみのうち」などを読むと、自分の心との折り合いのつけ方が一段とうまくなれる。


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