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心に響くこの一冊

『犠牲 サクリファイス』


柳田邦男 文藝春秋

 「親父は作家だろ、作家なら他人のことばかりカッコよく書いてないで、自分のことを書けよ、この家の地獄を」。息子の“注文”は、思わぬことで実現する。心の病に苦しんでいた当の息子が自ら命を断ったのだ。「不遜に対する天罰であろうか」と自問する著者が、「家族の罪滅ぼしの務め」として凄絶な思いでペンを執る。苛酷な経験を通して、脳死と臓器移植の問題についても大胆な提案をする。


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