経営・人事・法務大西マネジメント事務所
  HOME  >  新着情報  >  心に響くこの一冊  >  われよりほかに 谷崎潤一郎最後の十二年(上)(下)   

心に響くこの一冊

『われよりほかに 谷崎潤一郎最後の十二年(上)(下)』


伊吹和子 講談社文芸文庫

 “大谷崎”と称された「文豪の日々」が面白くないわけがない。著者は、この作家の晩年の12年間を、原稿の口述筆記者兼秘書として身近に過ごした。老大家の実生活は極めてモダンで『陰翳礼讃』とはまるで相反していたとか。やはりというべきは、貪婪なる好奇心。その「思想精力の源泉」や「文学的感興の依拠」は奈辺にあったのか、「創作意欲を掻き立てる」ものは何だったのか。冴え渡る迫真の筆さばき。


前へ

『白土三平 野外手帳』

次へ

『異人たちとの夏』