タイトルを直訳すると“野生的ノートブック”。「人類最古の哲学」(神話論入門)から始まり、「熊から王へ」(国家の誕生)、「愛と経済のロゴス」(新しい贈与論)、「神の発明」(「超越性」の発生)と展開。最後にシリーズを貫く「対称性」の概念を「公理系にまで発達させ」る意欲のもと「対称性人類学」がまとめられ、体系が完成する。自然や動物との共感、謙抑、共生。9.11以後の世界がかかえるジレンマを解く鍵は神話の思想にあるのかも。