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心に響くこの一冊

『力道山がいた』


村松友視 朝日文庫

  相手の反則に対し我慢に我慢をかさね、堪忍袋の緒が切れて空手チョップの雨あられ‥‥。戦後の屈辱をかみしめる多くの日本人は、大きな白人の胸板へ空手を打ちこむ力道山に喝采をおくり、溜飲を下げた。プロレスラー「力道山の躰の芯で燃え続けていたマグマはいったい何だったのか‥‥」。(誰もが知っている)リング上と、(誰もが知らなかった)実人生の双方から、力道山フリークを自認する著者が、その謎を探る。


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