「独立とは、自分にて自分の身を支配し、他に依りすがる心なきを言う」。自助、独立あるいは自立は、明治草創のきらめくような精神であった。冒頭の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」も、自己のほかには拠りどころがないことを前提としている。他人の思惑や評価を気にせず、事の善し悪しの判断基準を心に持つ。同時に、自分の心身を適度に制御する術を会得する。自立の条件である。