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心に響くこの一冊

『神のふたつの貌』


貫井徳郎 文春文庫

  その教会は3つの死に取り巻かれていた。牧師の母の事故死、同じく妻の事故死、そして信者の墜落死。ある日牧師の息子が、父に言う。「お父さん、ぼくは今夜、人をひとり救ってきました。バイト先の店長‥‥を、苦しみから解放してあげたのです」。神の大いなる沈黙。宗教は人を救うためにあるのか、それとも不幸な状況を納得させるためにあるのか。相似と連鎖の仕掛けが見事。


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