日本で唯一猟を仕事としている羆ハンターによるドキュメント。随所に“ならでは”の叙述が。たとえば、銃を射ったとき。「発射音にほんの少し遅れて、弾が肉と骨を断つ、鈍いくぐもった音がする」など。リアルで臨場感がある。その他、皮剥ぎ、解体、慎重に行われる胆管の処理、内臓を火で炙って食べる豪快な食事風景も。抑えた筆致のなかに、自然のいとなみや動物の生命に対する慈愛を感じることができる。