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心に響くこの一冊

『哀愁の町に霧が降るのだ(上)(中)(下)』


椎名誠 情報センター出版局

 東京、小岩での男たちの「フシギ的ドタバタ的」共同生活を活写した、シーナさんの原点的スーパーエッセイ。全編にただよう「おもしろかなしずむ」が心を和ませる。「克美壮」は社会へ旅立つ前の勉強道場、さながら現代の“私塾”に見える。男たちは、作家、弁護士、イラストレーターになって第一線で活躍中。ライバルから学ぶものは大きい。競争で切磋琢磨できる。こうして才能は群生するのだ。


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