筆記具メーカーの三代目若手社長は、遺書も残さず忽然と自殺する。中小企業における世襲制の是非、とりわけカリスマ的ワンマン経営者からの事業継承はどうあるべきかについて、一石を投じる作品。同族経営の功罪は相半ばするが、血族間のしがらみという悪い面が露呈したケースとして教訓にできるのではないか。これだけの条件が揃えば、経営トップでさえ自殺に追いこまれてしまう。