今や再建を模索中のダイエー創業者中内さんをモデルにした、ラジカルで元気のいい小説。消費者のための“価格破壊”という理念は高尚なものであった。ただ銀行からの借り入れについては、「日銭のあがる商売だ。返すのに苦労はない。利子はつくが、それ以上にどの店も地価の値上がりで不動産価値が増えていく」という借金哲学を披瀝。この基本戦略が、やがて足枷となってくるのだが。