動けば雷電の如く発すれば風雨の如し――。 高杉晋作の満27歳8ヵ月の生涯を綴る長編小説。「走り出してから、考える」というのがおおむね晋作流のやり方であった。それは、「面白きこともなき世を面白く」という辞世からもうかがうことができる。人間社会にいつも宿命的につきまとう不幸感(面白きこともなき世)を、自己充足して命を完全燃焼させ(面白く)生き抜くことが大事だと、現代のわれわれにも訴えている。