説明義務と紛争解決
Q. 現在、パートタイム労働法で、雇い入れ時の待遇の内容等に関する説明義務と雇い入れ後の待遇の決定にあたっての考慮事項に関する説明義務が、事業主に課せられています。また、パートタイム労働者の雇用管理の改善のための措置に関する事項について労使間で紛争が生じた場合、行政による裁判外紛争手続(行政ADR)の制度が設けられています。働き方改革関連法により、パートタイム労働者だけでなく、有期雇用労働者も適用対象となるそうですね。 |
A. 働き方改革関連法では、有期雇用労働者を含めた非正規労働者の待遇に関する事業主の説明義務が強化されました。司法的な救済を容易にし、行政による裁判外紛争手続も整備され、労働者保護のインフラはさらに強固になったのです。事業主サイドからすると、説明義務への対応は、かなり難問。紛争になれば、合同労組や弁護士から書面で説明することも求められ、ADRや訴訟での重要な証拠とされます。改正法の施行日までに必要となる実務的対応策を整理しましょう。 |
◆待遇に関する事業主の説明義務 現行のパートタイム労働法(以下「パート労働法」という)では、雇い入れ時の待遇の内容等に関する説明義務や、雇い入れ後の待遇の決定にあたっての考慮事項の説明義務を事業主に課しています。これに対し、新法となるパートタイム・有期雇用労働法(以下「パート・有期労働法」という)は、パートタイム労働者に加え、有期雇用労働者もその対象とし、説明義務も拡張しているのです。 ◆行政による裁判外紛争手続の整備 事業主による説明義務の強化の趣旨は、非正規雇用労働者と正規雇用労働者との待遇格差に関する情報を事業主から得られるようにし、不合理な待遇差の是正を求める労働者の司法的な救済を容易にすること。 |