Q. このたび、会社の法務部に配属となりました。企業の活動は、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」に関する企業活動、および企業の付加価値を実現する「販売・サービス」提供活動に分類でき、非常に多岐にわたります。したがって、会社に関わる法律も企業活動に対応して、膨大な数と量です。上司からは、生の法律の条文や判例をよく読み、親しむよう指示されました。法律の条文や判例を読むコツや留意点のようなものがありましたら、ご教示ください。
コンプライアンス・人材育成
Q. 労働条件保障の先駆である労働基準法は、罰則規定(117条~120条)を用意するとともに、同法に違反する労働契約を無効とし(強行的効力)、無効となった部分は法律で定める基準による(直律的効力)とする強力な私法上の効力を与えられています(13条)。一方で、努力義務規定(1条2項)も置き、法の強制方法(規制手法)が多彩です。労働法規のなかには、努力義務規定が多く散見されるような気がします。努力義務規定にどのような存在意義があるのでしょう。
Q. このたび、会社の法務部に配属となりました。企業の活動は、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」に関する企業活動、および企業の付加価値を実現する「販売・サービス」提供活動に分類でき、非常に多岐にわたります。したがって、会社に関わる法律も企業活動に対応して、膨大な数と量です。上司からは、生の法律の条文や判例をよく読み、親しむよう指示されました。法律の条文や判例を読むコツや留意点のようなものがありましたら、ご教示ください。
Q. 今、渋沢栄一が注目を集めています。テレビの大河ドラマのモデルになったり、新1万円札の顔となったり......。何よりも、彼は「日本資本主義の父」と称され、第一国立銀行や東京証券取引所をはじめとして500余の企業をつくり、現代ビジネスの礎をつくりました。その代表的著作(厳密には講演録)が『論語と算盤』。資本主義は放っておくと暴走する。だから、日本の伝統的価値観をつかって歯止めをかけようとしたもの、と理解してよろしいですか。
Q. 公益通報者保護法の特徴は、事業所内部への通報、行政機関への通報、マスコミ等への通報ごとに、異なる保護要件を設けていること。後にいくほど保護要件が加重され、ハードルが高くなる仕組み。逆にいうと、事業者内部への通報の要件を緩やかにして、その促進を図る法的枠組みです。つまり法は、企業に対し、コンプライアンス体制の確立、わけても、内部通報システムの構築を誘導しています。2020年、公益通報者保護法が改正されたそうですね。
Q. わが郷土の俳人、山頭火の作品に、「分け入っても分け入っても青い山」という句があります。まるで新型コロナウイルス禍に見舞われた今日の世界を表象しているかのよう。何が正しいのか。いつまで続くのかもわからない。解決するすべが見えてこない。労働者の働き方も、在宅勤務やテレワーク、あるいはオンライン会議等と変わってきました。終戦以来のパラダイムシフトが起きるという人もいます。価値観の変容を迫られているのでしょうか。
Q. 今年35周年を迎える従業員50人規模の健康食品メーカーです。創業以来経営トップを続けてきた父に代わり、今年から息子である私が社長に就任します。悩みの種は、幹部社員の人材育成。人間には3つのタイプがある、と聞いたことがあります。火を近づけると燃え上がる可燃性の人。火を近づけても燃えない不燃性の人。自分でカッカと燃え上がる自燃性の人。現在の幹部社員は全員可燃性タイプ。自燃性の人になってもらうには、どのような教育が必要ですか。
Q. 若年者の就業等に対する意識に関する内閣府の調査(2018年7月)があります。それによると、「安定していて長く続けられること」(88.8%)が最も多く、次いで「収入が多いこと」(88.7%)、「自分のやりたいことができること」(88.5%)の順。昔から変りばえしないのかなとは思うものの、このような就業意識を踏まえた企業の対応も求められます。この調査結果に対するコメントを含め、当社の新卒新入社員に贈る言葉をよろしくお願いします。
Q. 企業関連の犯罪には、主として刑法上の詐欺、横領、背任のほか、金融商品取引法、不正競争防止法、独占禁止法等の各種特別法違反があります。企業関連犯罪は企業不祥事の最たるもの。コンプライアンス経営が重要視されるなかで、企業犯罪の発覚・摘発は、その存続さえも重大な危機にさらされます。マスコミ報道によると、今年(平成30年)6月1日より、日本版「司法取引」が施行されたとか。制度の意義と求められる企業対応をご教示下さい。
Q. 入社して3年も経たないうちに離職してしまう若年者が多く、新規大卒者の早期離職率は恒常的に30%を越えるとのこと。最近のある機関の調査によると、離職理由で上位にきたのが、「労働時間・休日・休暇の条件が良くなかった」(男34%、女33%)、「肉体的・精神的健康を損ねた」(男29%、女34%)、「人間関係が良くなかった」(男27%、女29%)という回答。新入社員に早期離職を意識させる要因を探り、定着を促す方策を知りたいのですが・・・・・・・・・。
Q. 絶えることのない企業不祥事。かつては経営トップの犯罪が問題視されてきましたが、現在では末端の社員が起こした不正行為が企業の屋台骨を揺るがす事態も起きています。刑事責任や民事責任が法廷を舞台に争われると、マスコミにもスキャンダラスに報道されます。企業ブランドの崩壊は、最悪の場合経営危機さえ招きかねません。当社では、4月に多くの新入社員を迎い入れる予定です。法令遵守について新入社員向けに一言アドバイスをお願いします。
Q. 労働基準法121条に次のような規定があります。「この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対しても各本条の罰金刑を科する。ただし、事業主が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない」。この規定は両罰規定といわれています。その意味を教えて下さい。法人の犯罪能力についても議論されていますね。
Q. 京セラと第二電電(現KDDI)を創業し、日本航空では会社更生法の適用から2年で営業利益2000億円というV字回復をやってのけた稲盛和夫氏。「心をベースとする」経営哲学と、それにもとづく「アメーバ経営」といわれる経営管理手法が日本航空再建の切り札となった、とビジネス誌が賛辞していました。稲盛氏が会社を創業し成長させる過程で編み出したアメーバ経営という管理システム。その最大の効果が人材育成にあるそうですね。
Q. 新聞等の報道によると、今年(2015年)10月から、住民票を持つ人全員に12ケタの番号の通知が始まり、2016年1月から、社会保障、税、災害対策の3つの行政手続きにおいてマイナンバーの利用が開始されるとか。企業にとっては、官公署や自治体に提出する社会保険や税務の書類にマイナンバーの記載が義務づけられるため、その安全な管理が不可欠となります。企業が負わなければならない責任と企業に求められる対応策についてご教示下さい。
Q. 管理職の地位に就いて約10年。数名の部下を率い、日々、指揮監督と人財育成に勤しんでいます。このコーナーの「やる気を高める方法」や「意識改革の中身」、最近では「承認欲求」などは、部下のモチベーションを高めるための理論と方法がわかりやすく書いてあり、参考になりました。ところで、私ごとですが‥‥‥。仕事がマンネリ化し、凡ミスを繰り返したり、心が萎えるこのごろ。他人ではなく自分自身を鼓舞する方法をご指南下さい。
Q. 最近の若い人たちは、職場で「楽しく、おもしろく働きたい」、仕事を通して「自分が成長し」、「自己実現を図りたい」という内面的価値を重視する傾向が強い、という統計調査結果を見たことがあります。しかし、わが社の内実はというと……。言われたことしかやらない、すぐマニュアルを欲しがる、何を言っても真意が伝わらない等々。総じてやる気が感じられないのです。部下のやる気をいかに引き出せばよいのか、悩んでいます。
Q. マスコミ報道によると、若者の働く環境が、かつてないほどひどい状況になっているそうですね。サービス残業やパワハラ、退職強要などが増え、うつ病や過労死・過労自殺に追い込まれる例もあとを絶たない。そういう違法で悪質な行為が横行している企業を「ブラック企業」と呼び、就職活動生の間で非常に恐れられているとか。もはや正社員めざしでシューカヅを勝ち抜いても油断はできない。「ブラック企業」とはどんな企業ですか。
Q. 企業の経営者としての立場からおたずねします。企業は、利益を得ることにより、設備投資や研究開発の原資にし、雇用を維持し、税金として社会に還元します。ある意味で、利益は、企業の存続責任を果たすためのコストであるという見方も可能です。そこで、企業の目的は利益あるいは株主価値の最大化である、という点に焦点をあて、経営理念のなかに正面から打ち出し、従業員たちと思いを共有したいと考えています。どうぞ、コメントを‥‥。
Q. もうすぐ還暦を迎える二代目のオーナー経営者です。創業者の父から引き継いだときは小さな家業でしたが、従業員300人規模の企業になんとか成長させることができました。現在の悩みの種は、事業の継承。息子を含め社長候補となる部長が数名います(世襲にはこだわっていません)。まずは取締役に登用し、鍛えながら適正を見極めたいと思っています。次代を担うリーダーをどういう基準で選ぶべきか、アドバイスを一言。
Q. 東日本大震災後実施されたアンケート調査結果によると、多くの日本人の仕事観に変化が起こっているとのこと。安心・安全に加えて、家族・家庭への強い志向がみられ、仕事の内容に間しては、他人や社会への貢献と自己実現が重視されるようになったとか。社会性を帯びた欲求と個人的欲求の共存をどう思われますか。また、企業はどう対応すべきですか。
Q. 企業法務部というような専門部署をもてない中小企業の経営者です。企業不祥事を引き起こすと、取り返しのつかない大きなダメージを受けることを、数々の事例から学んできました。企業には、社会的責任または法的責任、道義的責任など、様々な責任があります。リスク管理の観点から、これらの責任を整理し、どう対応すべきか、ご教示いただけませんか。
Q. 今回の不況で売上が大きく落ち込み、赤字転落はほぼ間違いなしの状況です。人員削減を回避し、この難局を乗り切るためには、あらゆる原価低減や合理化を断行し、社員の意識改革を行わねばなりません。ただし、これまで賃金カットや賞与の大幅ダウンを実施しており、精神論で檄を飛ばすのも限界です。意識改革では何を強調すべきでしょうか。
Q. 当社では、経済構造や市場の急激な変化に対応するため、社員教育を重視し、時間とコストをかけてきました。ただ、カリキュラムの内容がマンネリ化してきたとの指摘もあります。そこで最近では、心の鍛錬のために、自衛隊の体験入隊や禅寺で座禅を組ませる研修を企画、検討しています。研修の内容について、何らかの制約といったものがありますか。
Q. 地元では老舗と呼ばれている総合卸売業を営んでいます。売上げや規模の割りに利益率は低水準で推移。同族会社の弊害かもしれませんが、会社の幹部は高齢化に加え、“指示待ち”人間ばかりで、社内に活気がありません。かねてより、若手の優秀な人材を育成しなければ、と悩んできました。人材育成にどういう考え方でのぞむべきか、ご教示ください。
Q. 創業者である父が病に倒れたため、役付経験もない息子の私が急きょ約60名の従業員を雇用する中小企業の社長に就任することになりました。人事評価などの人事制度もなく賃金水準も高くはありません。組織の活性化に不可欠な従業員のやる気を高めるコツがありましたら伝授ください。また賃金制度は昇給や歩合を充実させるべきでしょうか。
Q. 創業以来、「礼節、フェアプレー、問題解決」を経営理念に掲げ、社員には、常日ごろ道徳規範の重要性を説いてきました。しかし世間では、従業員の内部告発によって企業不祥事が発覚する事例が続発。これを背景に、内部告発保護法制も整ったとか。ただ、私どもの社風からみると、社員間に猜疑心を生み出す法制度には違和感を禁じえないのですが‥‥。
Q. 起業して無我夢中の20年。何とか従業員50人規模の会社に育てあげました。気になるのが有名な大企業の不祥事とそれに続く淘汰です。当社も従業員一人ひとりを掌握するのが困難となり、従業員が不正行為をしたり法に反する行動をとることだけは阻止したいと考えています。具体的な対策をご教示下さい。