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労働実務Q&Aこれで解決!

ストレスとのつきあい方

Q.

 職場においては、労働条件の引下げ、解雇、いじめ・嫌がらせ等のトラブルが、職場外においても、老後や年金、親の介護や相続等の悩みごとがあふれています。私たちの生活は、日々ストレスと無縁ではいられません。ストレスが、病気、とりわけうつやガンと密接な関係にあることも、現代医学の常識。ストレスとは一体何でしょう。ストレスから逃れる方法やストレスを消す手立てもしくはエクササイズがあれば、教えていただけませんか。

A.

 ストレス学説の創始者、ハンス・セリエは、ストレスは心や身体がすり切れることだといいました。このすり切れ現象により、心身に不調を来たし、病気を引き起こすのです。今のような世の中で、ストレスをなくすことはできないと思います。毎日の新聞やテレビを見ていても、気分が萎え、塞ぎ込んでしまうような報道ばかりではありませんか。ストレスが避けることができないものであるとするなら、ストレスに強い耐性や抵抗力をつけるしかないでしょう。

◆ストレスとは何か

 ストレスとは、人体が緊張して身構え、活動体勢に入った時の反応です。原始時代から引き継いだ「戦え、さもなくば逃げろ」という古い生存メカニズムなのです。私たちが脅威に直面した時、筋肉にエネルギーを急送する必要があります。その結果、アドレナリンが血液中に増え、心臓の鼓動は早くなり、血圧は上がり、血糖が増え、筋肉は緊張し、呼吸も早くなります。
 現代人のストレスは、会社で上司に叱られたとか、得意先からクレームをつけられたとかいった状況においても、人体にこの反応が起きてしまうので、やっかいです。
 注意すべきは、ストレスが他人や外界の出来事によって引き起こされるものではなく、それらに対する人の反応で引き起こされるということ。つまり、それらの状況をどう受けとめ、解釈するかにかかっているのです。これを理解することから、ストレス克服のプロセスが始まります。


◆ストレスから心身を守る方法

① メタ認知 あたかも第三者の視点から自分自身を見て、感情、気分や判断を把握する方法。「幽体離脱して上から見る」と、自分の感じ方や考え方を客観的に分析でき、冷静な対応が可能となります。ただし、訓練を要す。
② 気分転換 気晴らしもしくは発想の転換を促し、こだわりやとらわれをなくします。ネガティブな感情をポジティブに転換してくれます。音楽を聴く、歌う、楽器の演奏。ウォーキング、ジョギング、山登り。料理、掃除、風呂に入る等でも新発想を入手できます。
③ 深呼吸 ストレスがあると、身体中の筋肉や臓器、特に呼吸器官が収縮しているので、呼吸が浅くなります。ゆっくりとした深い呼吸は副交感神経を刺激するので血管が開き、抹消まで血流がよくなります。筋肉が弛緩するので身体がリラックスします。ヨガが健康にいいのは「深い呼吸」だから。
④ 考え方 自らの思いこみや解釈のクセを疑い、考え方を変えてみることです。白黒の考え方、mustの考え方、レッテル化をやめる。「諸行無常」を受容すると心が安らぎます。


◆私的メソッドの紹介

 恥ずかしながら、私的メソッドを紹介しましょう。
 1つめは、自己実現。仕事を通じて自己実現をすること。イチローのように100%満たす必要はありません。自己採点で60点以上あれば合格。足りない分は他の方法で充足します。
 2つめは、自利利他。自己を愛し、他人を思いやること。自己重要感を自ら高め、心に余裕を生み出してくれます。自分を愛することにより、他人をも愛することができるのです。
 3つめは自己暗示。潜在意識を活用した一種の「自画自賛」です。心を穏やかにする真言(マントラ)を心の中で唱えます。自分のご機嫌は自分でとる。
 おまけは、他者への「寛容」(トレランス)の精神。 自己の心の優越性を育くんでくれます。

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