過労死の労災認定基準の見直し
Q. 脳・心臓疾患は、その発症の基礎となる動脈硬化、動脈瘤などの血管病変等が、主に加齢、食生活、生活環境等の日常生活による要因や遺伝等による要因により形成され、それが徐々に進行したり増悪して、あるとき突然に発症します。その中でも、仕事が特に過重であったために血管病変等が著しく増悪し、その結果、脳・心臓疾患が発症することがあり、これを「過労死」といいます。この度、労災認定基準が改正されたそうですね。 |
A. 今年(2021年)7月16日、厚労省の「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」が脳・心臓疾患の労災認定に関する報告書を提出しました。これを受けて厚労省は9月14日、脳・心臓疾患の労災認定基準を改定し、15日から運用を開始すると発表しました。基準の見直しは20年ぶり。残業時間が「過労死ライン」とされる月80時間に達しなくても、不規則な勤務や身体的な負荷なども総合的に勘案し、より柔軟に労災認定ができるようになりました。 |
◆脳・心臓疾患の労災認定基準の概要 業務による明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳・心臓疾患は、業務上の疾病として取り扱われます。つまり、発症の有力な原因が仕事によるものであることがはっきりと確認できる場合をいいます。 ◆脳・心臓疾患の労災認定基準の改正項目 上記の労災認定基準は、これまでと変更ありません。改正されたポイントは次の4つです。 |