合同労組との和解
Q. 中小企業の経営者です。指導しても改められないので、成績が芳しくない営業マンに辞めてもらいました。すると、その人は合同労組に加入。組合からは、①解雇無効と撤回、原職復帰、②解雇から現在までの賃金の支払い、③在職時の残業代未払い請求等を議題に団体交渉の申し入れがありました。団交は3回に及び、組合から、一定額の金銭を支払うことを条件に、合意退職でもよい旨の打診を得ています。今後どう対応すべきか、悩んでいます。 |
A. 団体交渉が不調となった場合、労働者は、労働局のあっせんか裁判に持ち込みます。裁判で白黒つけたい誘惑も理解できます。しかし裁判には、労働審判、仮処分、通常訴訟の3種類があり、敗訴のリスクだけでなく、費用、時間、労力と膨大なエネルギーを奪われます。解雇トラブルは圧倒的に労働者が有利で、会社はほとんど負ける事実も。これらのリスクを回避し、和解を選択するのも経営者として賢明な判断と考えます。 |
◆合同労組への基本的スタンス
労働組合の団体交渉権は、団結権、争議権とともに、憲法28条で保障された労働基本権(労働3権ともいわれる)の1つです。解雇された労働者が合同労組に相談に行き、組合員となって団体交渉を申し入れてくる「駆け込み加入」であっても、基本的には同じです。
◆和解の法的意味とメリット
団体交渉を重ねていくうちに、合同労組から、「お金で解決したい」という具体的提案を受けます。場合によっては、団交の初っ端からあります。労働者本人にしても、職場復帰する気持ちはさらさらなく、早くお金で解決したいと思っている場合がほとんどでしょう。
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