企業の目的
Q. 企業の経営者としての立場からおたずねします。企業は、利益を得ることにより、設備投資や研究開発の原資にし、雇用を維持し、税金として社会に還元します。ある意味で、利益は、企業の存続責任を果たすためのコストであるという見方も可能です。そこで、企業の目的は利益あるいは株主価値の最大化である、という点に焦点をあて、経営理念のなかに正面から打ち出し、従業員たちと思いを共有したいと考えています。どうぞ、コメントを‥‥。 |
A. 確かに、利益なき経営は社会に対する貢献が少なく、企業本来の使命を果たしていない、という考え方も成り立ちます。しかし、優れた経営者は、利益の大切さを説く一方で、企業の目的については、利益の追求とは異なることを言っています。経営トップは、従業員が心から共感できる、崇高な企業目的を設定すべきです。そうすることで従業員のモチベーションが高まり、全面的な協力体制を築くことができます。私心のない「大義名分」が必要です。 |
◆企業の目的をめぐる諸見解
一般の人々は、企業の目的は何かと聞かれると、どう答えるでしょう。常識的には、「利益追求」と答えるのが多数ではないでしょうか。経済学の教科書にも、企業の目的は、「利益(利潤)の最大化」と書いてあります。
◆企業の目的とモチベーション
企業は資本と労働による協働形態であり、この協働がうまくいくようにマネジメントする活動が経営です。
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