内部留保と賃上げ
Q. 昨年末には、政権や労働界の代表との「政労使会議」で、「デフレ脱却には企業収益の拡大を賃金上昇につなげていくことが必要」との合意文書がまとめられた旨の報道が。今年に入ってからも、経団連が、「賃金の引き上げについて、ここ数年と異なる対応も選択肢となり得る」という報告をまとめた旨の報道がありました。内部留保は賃上げの原資となりますか。ついで賃上げの手法についてもご教示下さい。 |
A. 企業は利益を貯めこむばかりではなく、賃金への配分を増やすべきではないか、という議論があります。企業の「内部留保」に焦点があたっているのです。政界の一部は、賃上げの原資に期待。経済界は、賃上げに前向きですが、取り崩すのは「非現実的だ」と否定的。一方、賃上げの手法に関しても、労使双方、様々な論調があります。いずれにしても、業績が好調な企業が大前提。危機的な経営状況にある企業や潤沢な自己資本のない中小企業では及びでない話ではありますが…。 |
◆内部留保は賃上げの原資になり得るか
企業が事業などで獲得した利益を「税引前利益」といいます。経営成績は、分配過程に入る前の利益によって適切に表現されます。ある経営者は、流通であれ製造であれ、売上高に対して最低でも10%の税引前利益がなければ事業ではない、と喝破しているほど。
◆賃上げの手法は多様化している
賃金引き上げの方法、賃上げの手法について考えてみましょう。
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