HOME >これで解決!労働実務Q&A>パート・派遣・女性>不法就労の防止 サイトマップ
労働実務Q&Aこれで解決!

不法就労の防止

Q.

 建設業を営む中小企業の経営者です。先日、東京出張の際に驚いたことは、外国人労働者が多く目についたこと。コンビニでレジを打っていたり、居酒屋等の飲食店で接客業務をしている外国人留学生のアルバイトらしき人々に接する機会が増えました。私達の業界も、今後内需が上向く予測があり、人手不足が懸念されています。ただし、外国人の不法就労は、働かせた事業主も処罰されると聞いています。不法就労となるのは、どんな場合ですか。

A.

 不法就労には、大きく3つのパターンがあります。1つは、不法滞在者が働く場合。密入国した人やオーバーステイの人が働くケースです。2つめは、入国管理局から働く許可を受けていないのに働く場合。留学生が許可を受けずにアルバイトに従事するケースがその典型です。3つめは、入国管理局から認められた在留資格の範囲を超えて働く場合。外国料理店のコックとして働くことを認められた人が単純労働者として働くケース等があります。


◆外国人の不法就労とは

 在日外国人が不法就労となるのは、次の3つの場合です。
 その1は、不法滞在している外国人が働く場合。有効な旅券(パスポート)を所持せずに不法入国した外国人、上陸の許可を受けずに不法上陸した外国人、許可された在留期間を経過するなど不法残留する外国人等。いずれも働くことはできません。
 その2は、入国管理局から資格外活動の許可を受けないで働く場合。在留資格として、「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在」(入管法別表第1の3、4)を付与されている外国人は、入国管理局より資格外活動の許可を受けている場合を除き、就労が認められていません。
 その3は、在留資格で定められた範囲で就労が認められているもの。当然、それ以外の収益活動は禁止されています。在留資格として、「教授」「芸術」「宗教」「報道」「投資・経営」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術」「人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興業」「技能」「技能実習」「特定活動」(同法別表第1の1.2.5)を付与されている外国人。いずれも一定の技術・技能や知識を有する外国人について稼働を認めており、いわゆる単純労働者の入国を認めていないのです。
 これに対し、就労活動に何ら制限のない在留資格もあります。「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」(同法別表第2)の4種。単純労働も可です。


◆外国人雇用と在留カードによる確認

 不法就労は法律で禁止されています。不法就労した外国人だけでなく、不法就労させた事業主も、不法就労助長罪として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます(同法73条の2)。
 平成24年(2012年)7月から導入された新しい在留管理制度により、外国人に「在留カード」が交付されることになり、就労が可能かどうかの判断が容易になっています。
 第1のポイント。まずは、在留カードの有無を確認して下さい。在留カードは、入管法上の在留資格をもって適法にわが国に中長期滞在する外国人が所持するカード。免許証と同じサイズのプラスチック製のカードです。在留カードを持っていない場合、原則として就労はできません。不法滞在者や観光旅行者には交付されていないのです。
 第2のポイントは、在留カード表面の「就労制限の有無」欄の確認。在留資格が「留学」の場合、「就労不可」と記載されます。
 第3のポイントは、在留カード裏面にある「資格外活動許可欄」。たとえば「許可(原則28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」の記載があれば、その範囲で留学生をアルバイトとして働かせることが可能となります。

ページトップ