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労働実務Q&Aこれで解決!

無期転換ルールの特例

Q.

 労働契約法の改正により、平成25年4月から、いわゆる「無期転換ルール」が導入されています。このルールは、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、労働者の雇用の安定を図るため、同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で「5年」を超えて繰り返し更新された場合に、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換する(労働契約法18条1項)というものです。このたび、法律により、その例外ができ、すでに施行されているそうですね。

A.

 有期雇用特別措置法(「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」)が平成26年11月に公布され、平成27年4月1日より施行されました。これは、専門的知識等を有する有期雇用労働者等の能力の維持向上および活用を通じ、その能力の有効な発揮と、活力ある社会の実現をめざす観点から、無期転換制度に関する特例を設ける趣旨で制定されたものです。一定の要件を満たせば、無期転換申込権発生までの期間に関する特例が適用されます。


◆特例が適用される基本的な仕組み

 有期雇用特別措置法が対象としている労働者は次の2類型です。1つは、5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務(プロジェクト)に就く、高度な専門的知識を持つ有期雇用労働者。もう1つは、定年後(60歳以上の者に限る)に同一の事業主または特殊関係事業主に有期契約で引き続き継続雇用される高年齢者。前者については、10年を上限とするプロジェクト終了までの期間、後者については、その事業主に定年後引き続いて雇用される期間、無期転換申込権が発生しない、という法的効果が付与されるのです。
 特例が適用される手続き上のフローは、次のようになります。
① まず、無期転換ルールの適用を希望する事業主は、特例の対象労働者に関して、その特性に応じた雇用管理に関する特別の措置についての計画を作成。
② ついで、事業主は、作成した計画を、本社・本店を管轄する都道府県労働局に提出。
③ 都道府県労働局は、事業主から申請された計画が適切であれば、認定を行います。当該認定基準は指針(平27・3・18 厚生労働省告示第69号)が示されています。
④ 認定を受けた事業主に雇用される特例の対象労働者(高度専門職と継続雇用の高齢者)について、無期転換ルールに関する特例が適用されます。


◆「高度専門職」と「定年後再雇用者」の範囲

 「高度専門職」および「定年後再雇用者」とは、具体的にどのような者をいうのでしょうか。
 「高度専門職」とは、専門的知識等を有する有期雇用労働者であって、当該専門的知識等を必要とする業務(5年を超える一定の期間内に完了することが予定されているものに限る)に就く者をいいます(法2条3項1号)。
 また年収要件が定められており、事業主との間で締結された有期労働契約の契約期間に、その事業主から支払われると見込まれる賃金の額を、1年間あたりの賃金の額に換算した額が、1075万円以上であることが必要です(平成27年厚労省令第35号)。
 高度専門職の具体的範囲については、博士の学位を有する者、公認会計士、医師、弁護士、社会保険労務士やITストラテジストの資格試験に合格している者等、厚生労働大臣が定める基準(平27・3・18 厚生労働省告示第67号)が示されています。
 定年後再雇用者とは、同一の事業主(いわゆるグループ会社に雇用される場合を含む)に定年後継続して雇用される有期雇用労働者に限られています(法2条3項2号)。
 したがって、同一の事業主以外の事業主において定年退職した者を有期雇用労働者として雇い入れたとしても、有期雇用特別措置法は適用されません。

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